いまやサッカー選手は世界的に有名で、特にトッププレイヤーともなると、彼らの広告的価値は非常に高い。彼らのイメージが世界市場に向けたマーケティングの要になるわけだ。スペインのメディア『ティキタカ』が、自身の広告価値を利用してオリジナルのファッションブランドを立ち上げた選手たちをまとまた。
一流プレイヤーとしての自分を資産と考え、それを利用して新たなビジネスを起こしているわけで、ビジネスマンとしての資質を備えた選手といえるかもしれない。
オリジナル・ブランドを立ち上げたサッカー選手
1) クリスティアーノ・ロナウド
ロナウドはつい先日「CR7デニム」というジーンズを専門に扱う新しいブランドを立ち上げた。ロナウドは自身のインスタグラムでも商品発表を行い、「すべての人に、快適で、エレガントで、高品質の商品を届けたい」と、このブランドに込める想いをコメントした。
2) ウーゴ・サンチェス
ブランドを立ち上げるサッカー選手の先駆けとなったのがウーゴ・サンチェスだ。結果として長続きはしなかったのだが、このメキシコ人ゴールキーパーは2005年にプーマスのコーチをしているときにブランドを立ち上げた。パンツやキャップ、スカーフ、靴など様々な商品を扱っていた。
3) ヴィエリとマルディーニ
ヴィエリとマルディーニという往年のイタリアを代表する選手がそろって立ち上げたのが「スウィート・イヤーズ（Sweet Years）」というブランドだ。このブランドは大成功を収めている。現在、イタリアだけで900店舗をもち、デンマーク、セルビア、クロアチア、メキシコなどにも出店している。
4) ズラタン・イブラヒモビッチ
以前はナイキやプーマといったブランドの広告塔として契約をしていたスウェーデン人ストライカーのイブラヒモビッチだが、2016年に自身のブランド「A-Z Sportswear」を立ち上げた。ブランド発表時のイブラヒモビッチはなかなかのやり手だった。「今度大事な発表がある」とマスコミに発言し、自身の去就に関する報告をするものだ（当時イブラヒモビッチは去就が騒がれていた）と注目を集めておいて、ふたを開けてみたら自身のブランド立ち上げの発表だった。この意表を突く広報戦略はなかなかのもので、彼はビジネスマンとしても一流になるポテンシャルがあるのかもしれない。
5) 「エル・ロコ」アブレウ
往年のウルグアイ代表ストライカー、アブレウ。彼は「世界中を旅した」選手としても有名で、40歳になるまでに20チームのユニフォームをまとっている。このような自分のイメージを利用して、アブレウは「ロコ13」というブランドを立ち上げた（「ロコ」は「クレイジー」の意味）。また、ブランドの収益は病気や食糧難に苦しむ子供たちに寄付するという。
6) デビッド・ベッカム
現役中もそうだが、引退後してもなおデビッド・ベッカムは世界的に有名なスターだ。彼は自身のブランドを立ち上げたわけではないが、H&Mなど、様々な世界的企業の広告を務めている。
7) ベロ・ボケテ
ブランドを立ち上げた選手は男ばかりではない。2015年にスペイン人の女子サッカー選手ベロ・ボケテが、エル・コルテ・イングレス（スペインのデパート）とコラボして自身のブランドを立ち上げた。発表時には「ほかの国では国民的人気者になる女子サッカー選手もいるのだから、スペインで女子選手がファッションブランドを立ち上げたっていいんじゃない？」と述べた。
8) アンドレイ・アルシャビン
華麗なテクニックを持ち「新皇帝」のニックネームで親しまれたロシア代表FWアルシャビン。母国ロシアで圧倒的な人気を誇る彼は、1億4千万人の潜在顧客がいる市場でビジネスを始めた。2009年に自身のブランドを立ち上げ、スポーツウェアと通常の洋服の2種類を扱っている。
9) ロナウジーニョ
「メッシ&ロナウド」時代の前にはバロンドールも獲得し世界最高の選手と絶賛されたロナウジーニョ。並外れたテクニックと遊び心のあるプレーはまさに唯一無二の存在と言えた。そんな彼も2013年に「R One」というブランドを立ち上げ、ロナウジーニョ好みのファッションを展開している。
最後に、ブランドではないが、自身のオリジナル・ロゴを持っている選手も紹介しよう。詳しくはこのサイト（スペイン語、ただし画像のみ）で見ることができるが、ロナウド、ベイル、ベッカム、ハメス・ロドリゲスなど有名な選手がずらり。スペインのメディアということもあって、レアル・マドリードの比率が多いようだ。