サッカー日本代表の乾選手が所属するSCエイバルの選手とサポーターは、現地では「アルメロス(兵器製造者)」と呼ばれています。その由来についてスペインの新聞ASが解説していました。
SCエイバルについて
セグンダBからプリメーラリーガまでわずか5年。近年のSCエイバルの成功はスペインサッカー界でも他に類を見ないものです。しっかりとした計画を立て、ひとつひとつ成功を積み重ねた結果、2014年に初めて昇格して以来、一度も降格をせずにプリメーラディビジョン(一部リーグ)にとどまり続けています。こうしたチームの成功はエイバル市民たちに大きな喜びを与えています。
2015年には降格圏でシーズンを終えたものの、エルチェが経営上の問題で降格することになり、幸運にもプリメーラディビジョンにとどまることができました。昨シーズンは周囲の予想を大きく上回り、10位でシーズンを終えます。その結果、2017シーズンもプリメーラディビジョンでプレーすることになりました。
ところで、彼らには「アスルグラナ(チームカラーの青とえんじ色)」、「エイバレス(エイバルの人たち)」、「アルメロス(兵器製造者)」というあだ名がありますが、3つめのあだ名の由来をご存知でしょうか?
あだ名「アルメロス(兵器製造者)」の由来
「アルメロス」というあだ名は、クラブが設立されたこの街の産業に由来しています。チームだけでなく、街そのものも同じ名前とあだ名で呼ばれているのです。SCエイバルだけでなく、ギプスコア県(エイバルがあるバスク地方の地域)に関係しているすべての人が「アルメロス」として親しまれています。 なぜなら、兵器製造産業はこの地域の経済を支え続けてきたからです。
今ではエイバルで兵器製造工場を見ることはめったにありませんが、20年ほど前まではたくさんの工場が存在していました。そこでは主にピストルやショットガンなどが製造されていたそうです。現在、エイバルの兵器製造業は年々規模を縮小しています。とりわけ1997年にSTARの大規模な工場が閉鎖されたときには大きな影響がありました。しかし、「アルメロス」の精神はエイバルに残り続けています。実際に、今でも鉄鋼業がエイバルの主要産業となっているのです。