トレーニングに人並外れた情熱を注いでいるクリスティアーノ・ロナウド。
「どのようなトレーニングをすればロナウドのような身体を手に入れられるのか?」と興味を持つ人は多い。
そこで、この記事では彼のインスタグラムを観察して、ロナウドが実際に行っているトレーニングメニューを調査した。
結果、いくつかのトレーニングは一般人には複雑すぎるものだが、多くは誰でもまねができるものだった。
ここからはクリスティアーノ・ロナウドのインスタグラムから判明した、彼が実際に行っている10個のトレーニングを紹介する。
1. スクワット + 腕と太もも、両足をチューブでつないで負荷UP
ベースとなる動きはチューブをつけた状態でのスクワットだが、「脚を開いた姿勢をキープするために太ももに負荷がかかり、同様に腕を水平にキープするために上腕にも負荷がかかる」とトレーナーのフアン・ルイス・ロペスは分析する。
「このトレーニングでは、ケガを防ぐのに役立つ筋力がつきますね。腕と肩の筋力が強化されるのでプレー中の身体の安定性を強くすることができます。また、スクワットにより臀部の筋肉も強化されます。これらの筋肉をつけると、背中、とくに背中の下部、と膝のけがを予防することに役立ちます」
2. 横向きの腕立てふせ
「横向きの腕立て伏せのような態勢で、前腕、太もも、手首を鍛えています。身体の右側と左側を鍛えるためには身体の向きを変える必要があります。体幹を強化するのに役立つトレーニングで、激しい運動中に身体を支える芯を鍛えることができます。ジャンプをしたり、ボールを強く蹴ったり、他のプレイヤーと競り合ったりするときに身体が安定するようになります。」とパーソナル・トレーナーのペドロ・アウベスが分析した。
3. 重たいロープを使ったトレーニング
「これはHIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)と呼ばれるトレーニングの一つです。片側が固定された重たいロープを持ち、上下に振り続けます。一定の時間この運動を続けて1セットとし、インターバルを挟んで数セット繰り返します。だいたい最初は1セット30秒から始め、徐々に時間を伸ばしていきます。ロナウドはトレーニング強度を上げるためにひとつ工夫をしているようですね。ひざをついて立って身体を不安定な状態にしているので、バランスを保つために体幹も同時に鍛えられます」とトレーナーのガルシア・コロナード。「このトレーニングをすることで全体的に身体の強度が増します。心肺機能が強化され、腕、背中、腹筋も鍛えられます」
4. 懸垂
「これはいわゆる自重トレーニングです。固定されたバーにぶら下がり、腕を引いて顎がバーの高さを超えるまで自分の身体を上にあげます。懸垂ですね」とフアン・ルイス・ロペス。「背中や腕にわたって広範囲の筋肉が鍛えられます。上腕二頭筋、三角筋、僧帽筋、腹筋なども強化されますね。連続した運動を続けながら身体のバランスをキープするために必要な筋肉です」
5. マシンを使った片足立ちバランス
「片足で立ち、もう一方の脚を上げて膝の高さで垂直に曲げた姿勢をキープします。また、軸足の方にチューブを巻き付けて負荷をかけます。この不安定な姿勢に耐えることで内ももの筋肉が刺激されます。また、内転筋や骨盤の横の筋肉も強化されます」とトレーナーのアウベス。「ランニングやバスケットボールなどのスポーツのトレーニングを補うためによく行われる内容です。脚の内側と外側、両側の筋力が全体的に強化されます」
6. バランスボールを使った腕立て伏せ
「両足をバランスボールの上に乗せて身体をまっすぐに伸ばし、両手を床につきます。腕立て伏せの姿勢ですが、足をバランスボールに乗せて不安定な状態になるため、通常の腕立て伏せよりも強い負荷がかかります。トレーニングの最中は、頭から足の先までまっすぐに伸ばした姿勢を保つことが重要です。その姿勢から両腕をまげて床に近づけ、腕立て伏せの動作をします」とフアン・ルイス。「また、この写真のロナウドのように片足をあげるとより負荷が強くなります。身体を支える点が両手両足の4点から両手片足の3点になるため、単純に一点にかかる力が増えますね。腕の筋肉だけでなく、ボールのうえでバランスを保つために腹筋も同時に鍛えられます」
7. 両足と両手を上にあげて姿勢を固定
「これはピラティスでよくやるトレーニングです。仰向けに床に寝て、お尻、膝、足首を直角に曲げた姿勢をキープします。ロナウドの場合はこの基本的な姿勢に加えて、膝の間にモノを挟むことで強度を増やし、より腹筋が刺激されるようにしています。また、同時に両手をまっすぐに伸ばしてボールを持つことで、肩とウエストの筋肉も強化していますね」とガルシア・コロナード。
8. ボールとチューブを使って姿勢を保つ
「アスリートにとっては体幹を鍛えることがとても重要です。骨盤から頭蓋骨に伸びている背骨を支える筋肉を強化します。ロナウドは、首につけたチューブを下に伸ばして両方の足につないで負荷を与えることで、背中、足、お尻の筋肉も鍛えていますね。また、両手を伸ばしてボールを持った姿勢を保つことで、背中、肩、腕の筋肉も強化しています。地味なトレーニングのようですが、体幹を鍛えるには効果的なものです」とガルシア・コロナード。
9. 両足を伸ばしたままヒップを上下にあげる
「これもピラティスのトレーニングのひとつで、『ピラティス・リフォーマー』と呼ばれるマシンを使って行うものです。小さなベッドのようなフレームの上に可動式のマットレスが置いてあり、片側はバネ(スプリング)でつながれており、もう片側からはチューブが伸びています。マットレスの上にあおむけに寝て、チューブをまっすぐに伸ばした両足につけ、円を描くように両足を動かします。これにより身体の中心部が強化されます。サッカー選手にとって、腹筋はケガを予防するためにも大事な部位になります」とペドロ・アウベス。
10. 逆さ宙づりマシン
トレーニングの最後を飾るはこの珍しいマシン。ガルシア・コロナードによると「関節を伸ばし、蓄積したダメージをやわらげるためのマシン」だという。「頭に圧がかかるので、慣れるまでは逆さにぶら下がるのは難しいですが、慣れてくると脳に負担をかけずに数分間の間逆さにぶら下がることができるようになります。 腰やお尻に蓄積したダメージをやわらげるのに適した運動です」