ソニーが『ヴェノム』の映画化を発表して以来、多くのファンたちは混乱していた。
その一番の理由は、『ヴェノム』はマーベル・シネマティック・ユニバース(いわゆるアベンジャーズたちが登場する映画内の世界)に属さない、とマーベルとソニーとの契約で決まったからだ。スパイダーマンに登場する悪役キャラクターである「ヴェノム」が、いったいどうやってスパイダーマンのいない世界で成立するのだろうか?特にヴェノムの誕生はスパイダーマン抜きには語れないはずだ。ファンたちはそのように考え、不安を募らせていた。
ヴェノム(ブラック・スパイダーマン)
また、もうひとつの疑問は、スパイダーマンがいない世界では、ヴェノムはいったいどんな姿になるのか?という点だった。ヴェノムのデザインはスパイダーマンがモデルになっており、簡単に言えば「ブラック・スパイダーマン」で、胸に白くスパイダーが描かれた真っ黒なスパイダーマン・スーツを着ている。今回のヴェノムはスパイダーマンがいない世界で映画化されるということで、ファンたちの中には、「もしかしたらこの映画でエディ・ブロック(ヴェノム)を演じるトム・ハーディはブラック・スーツを着ないのではないか?」「ひょっとしたら原作とはまったく別物のヴェノムになるのでは?」という懸念が浮上していた。 とりわけ、reddit(ネット掲示板)で匿名投稿者が映画の一シーンとされる画像を投稿してからは、その噂に火がついていた。ヴェノム抜きのヴェノムになるのではないか?という声が大きくなっていたのだ。
主演トム・ハーディがファンの噂を一蹴
ファンに不安が広がる状況の中、主演のトム・ハーディが自身のインスタグラムにコメントを投稿しこの噂を一蹴した。トム・ハーディという人間のストレートな性格が表れた、実に端的なコメントだった。
「ヴェノム・スーツ。バカげた噂が流行るのは、たいてい信用できる情報源を持っていない奴らのせいだ」
つまり、トム・ハーディのコメントを読み取ると、ヴェノムにブラック・スーツが出てこないという噂は「バカげて」おり、ハーディは映画内でスーツを着るということだろう。コメントと共に投稿された写真も示唆的で黒地に白くドクロが描かれており、ひと言「face eater」と書かれている。これが具体的に何なのか、何を意味しているのかは分からないが、おそらく何かしらのコスチュームの一部なのだろう。
映画『ヴェノム』は2018年10月公開予定
とはいえ「ヴェノム」の公開はあと半年先のことだ。ファンたちをやきもきさせるのもプロモーションの一部だし、ファンたちも現時点でパニックになるべきではない。現時点で公開されている予告編第一弾ではヴェノムの姿を確認することはできないが、おそらく次の予告編ではチラッとヴェノムが映るはずだ。もしかしたらファンの不安が当たって、期待していたヴェノムが出てこない『ヴェノム』になる可能性もあるが、おそらくソニーはそんなことはしないだろう。
映画『ヴェノム』はアメリカで2018年10月5日に公開される予定だ。
次回作ではアル・カポネを演じるトム・ハーディ
ここ数年、ダークナイトの「ベイン」などいくつか漫画原作もののキャラクターを演じているトム・ハーディだが、彼の活躍はそれだけにとどまってはいない。『ヴェノム』の後には、ジョシュ・トランクが監督する、アメリカ伝説のマフィア「アル・カポネ」の晩年を描いた作品で主演をつとめる予定だ。
この作品でトム・ハーディはシカゴ暗黒界の帝王アル・カポネの晩年を演じ、アルカトラズ刑務所に収監され、梅毒の影響で心身ともに衰弱していく姿が描かれる予定だ。