たとえファンが作品を気に入らなかったとしても『デスノート』をNetflixのラインアップから消すことはできないのだが、その監督をツイッターから追い出すことはできてしまったようだ。
ツイッターを閉鎖した監督アダム・ウィンガード
この作品を監督したアダム・ウィンガード(Adam Wingard)のツイッター・アカウントはもう存在しない。彼のアカウントにアクセスすると、「ページが見つかりません」と表示される。ツイッター上でファンと「デスノート」について意見を交わした後、彼はアカウントを削除したのだ。この作品は日本の漫画・アニメとして大ヒットしたデスノートをNetflixでリメイクしたもの。アメリカでもヒットを記録した。しかし、ツイッター上でアダム・ウィンガードに対する嫌がらせが加熱した結果、彼はアカウントを消さざるをえない事態に追い込まれてしまった。
アニメファンであればネット上で何が起こったのかご存知かもしれない。無数のオタクたちがウィンガードのアカウントに対し「原作を変えすぎて最悪」だとよってたかって彼を責めたのだ。もちろん中にはまっとうな批判もあったが、多くはただ彼を攻撃するためのものだった。そんな中でもウィンガードは多くのファンに対し丁寧に返答していたが、そのうち一つのツイートがファンたちの攻撃心に火をつけてしまった。
8月26日にウィンガードは以下のメッセージを投稿。
「荒らし目的の人たちには申し訳ないけど、長い目で見ればいつもアーティストが勝つんだよ」
その後、俳優のひとりがこのメッセージに対して以下のコメント。
「このツイートを見て多くの人がやられた気になっている。爽快だ。自分の攻撃が自分に返ってきたんだよ」”
荒らし目的のファンに苦言も
また、ウィンガードはデスノートに対するネット上での批判に対して、「映画の批評は監督をツイッター上で袋叩きにすることではない」とコメント。まっとうな映画の批評と荒らし目的の攻撃行為を分けるのはもっともなのだが、これが功を奏することなく、彼と作品を気に入らなかったファンとの間の応酬は見ていて痛々しいものになってしまった。
ウィンガードは事前通告なしにツイッター・アカウントを閉鎖したが、ファンたちは彼が殺人予告を受けたために閉鎖したと推測している。作品を気に入らなかったからファンがその作品を悪く言うのは珍しいことではない。とりわけ、原作があるものはファンの不評を買うことが多い。今回のNetflix版『デスノート』はファンが臨むような内容の映画ではなかった。それは事実なのだが、何人かのファンはウィンガードを攻撃する口実ができたとしか考えていないのだろう。
今回、ウィンガードをツイッターをやめるまで追い込んだことについて、ファンたちは何が起きたのかを振り返らなくてはいけない。
以下のツイッターではファンの一人がこうコメントしている。
「ネット上の映画ファンにとって恥ずべき日だ。『デスノート』は確かにクソ映画だった。でも作ったのは人間なんだ。」
A shameful day for the online film community. It’s just a damn movie. Don’t forget there’s a human being behind it. https://t.co/46O0aMg7kR
— Faisal Hashmi (@FaisalHashmi) September 11, 2017